『Lの世界』 の世界 - the L word   LAのウエストハリウッドを舞台にしたお洒落で知的な女性たちが織りなすレズビアンの世界。
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"The L Word" は生き残れるのか?

By the article from Los Angeles Times
January 2009
 

1月25日付、ロサンゼルス・タイムスの記事です。

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アリスとジェニー
Photos: thanks to Paul Michaud / Showtime

昨年7月、Showtimeのレズビアンドラマ 『Lの世界』 のバンクーバーの撮影現場にて行われたインタビューで、ミア・カーシュナー (Mia Kirshner) は演じているキャラクター、ジェニー・シェクターについて質問を受けた。このシリーズがシーズン6で終わりを迎える時、ジェニーはどうなってしまうのかと。つまるところ、このドラマは元々、ジェニーが、きらびやかで魅力的なウェスト・ハリウッドの女性たちの世界に入っていくところから始まったドラマである。そして “The L Word” の世界に住む女性たちと友人関係を築き上げるにつれ、まもなく自分もレズビアンだと自覚していくというストーリーだ。

「ジェニーは相変わらずハチャメチャな感じになりそうだけど、わたしはそれで嬉しいわ。」 と、ミア・カーシュナーはその時、自分が演じる愛すべき嫌われ者、ジェニーについて語っていた。このジェニーというキャラクターは、自分自身の苦悩 (幼少時代のトラウマを抱え、自傷行為をおこしがちで、 “Miss Yashiva Girl” という名前でストリップまでした) と、他人を苦しめてしまう (ほとんど他のキャラクター全員が生活の中でひと騒動起こされている) という2つの問題を抱えている。

そしてミア・カーシュナーは、こう続けた。「別にジェニーをまともにして終わらせたいわけじゃないのよ。ジェニーは決して正常にはならないし、ジェニーはジェニーのままでいくわ。」

この時ミア・カーシュナーは、ジェニーは正常になるための時間さえも与えられないということを知らされていなかった。 『Lの世界』 最終シーズンの第1話を観た方はもうご存知だが、ジェニーは死んだ姿で発見される。プールで殺されたかのようだが・・・。1950年の映画 『Sunset Boulevard』 のようなスタイルで、全主要キャラクターの目の前に遺体袋に入った状態で運ばれ、その場にいる誰もが被疑者となる。ドラマが幕開けとなる最初の数分でジェニー殺害の結末という暗い未来に飛んだ後、物語はその3ヶ月前のこととして、シーズン5が終わったところから始まる。

『Lの世界』 のクリエーター兼プロデューサーであるアイリーン・チェイケン (Ilene Chaiken) 氏は最近のインタビューで、「8エピソードのシーズンで、一つのストーリーを作り上げられる。脚本家の部屋に集まって、最終シーズンをまるで一つのミニシリーズのようにしてしまおう、ということでディスカッションを始めたのよ。」と語った。

アイリーン・チェイケン氏は、殺人の構想があることをキャストたちには伏せていた。というのも、その構想を変えて欲しいと1年を通して働きかけられても困るからだ。そして、さらに重要なことは、架空のキャラクターたちが何が待ち受けているのか知らないのだから、女優たちも知らないでいるべきだと言う。彼女たちにキャラクターと同じような状態でいて欲しかったとのこと。

シーズン6においても進行形のラブライフや仕事上の問題、そして日常生活が描かれていくが、その背後には一貫して “Who-Killed-Jenny” というテーマが横たわっていて、すでにファンの間では不満が出ている。レズビアンメディアウェブサイトのAfterEllen.comや、個人のブログで "The L Word" に関する記事を書いている Dorothy Snarker というペンネームのブロガーは、電話でのインタビューで、「ファンの人たちは、満足しないであろう結果を身構えている。」と語った。


肯定的に捉えてみる

Showtimeで初めて 『Lの世界』 がオンエアされたのは2004年。それは、同性愛者だって家族やリレーションシップ、そして仕事、、、といった実際の生活を持ち合わせるのだということを認識させてくれ、ゲイ・レズビアンのメディア描写における文化の変化の一部を担った。言い換えれば、それまで同性愛者は、描かれないか、描かれたとしてもよくて下劣な感じ、最悪だとまるで殺意を持ち合わせているかのような描かれ方をしてきた。

映画 『Basic Instinct』 で、アイスピックを振りかざした同性愛者である殺人犯を演じたシャロン・ストーンが、90年代の火ぶたをきったのかもしれないが、その頃から "The Real World" (1992), "Will & Grace" (1998), " Survivor" (2000), "Queer as Folk" (2000), "Queer Eye for the Straight Guy" (2003) といったテレビドラマが世の中にお目見えになえり、ゲイ、レズビアン、そしてバイセクシャルのストーリーがメインストリームに持ち込まれた時代でもあった。

Showtime CEOのマシュー・ブランク氏 (Matthew C. Blank) は、「我々は、すでに 『Queer as Folk』 をオンエアしてかなり注目を集めていたので、 『Lの世界』 をやったことは、当時のShowtimeの在り方としては自然な流れだと思う。」 とインタビューで語った。

ドラマ 『Lの世界』 は、プレミア・ケーブル・チャンネルに視聴者たちを誘導してきた。Showtimeの報告よると、シーズン1の時には平均 924,000人の視聴者だったのが、最高値を記録したシーズン5では1,400,000人にも上った。これまで 『Lの世界』 は、ジェニファ・−ビールス (Jennifer Beals)、キャサリン・メーニッヒ (Katherine Moennig)、レイシャ・ヘイリー (Leisha Hailey)、パム・グリア (Pam Grier)、ローレル・ホロマン (Laurel Holloman)、そしてもちろんミア・カーシュナー (Mia Kirshner) など、キャストたちの好感度もさることながら、そのきらびやかなイメージや、レズビアンライフにおける性的描写に重点をおいていることは、称賛されている。

しかし一方で、オンラインでのチャットや、テレビの批評家たちに、筋が通っていないこともあると酷評もされている。 ニューヨク・タイムスの Ginia Bellafante は、今回のシーズンのレビューとして "明らかにされた構想は目に余るほど" だという記事に触れ言及した。昨年のエンターテイメント・ウィークリーには、「脚本家たちは、ドラマとしてのしっくりさや構想の一貫性に明らかにプライオリティを置いていない。」と書かれた。

そしてそれが、一部の視聴者にとって、ジェニーの死にまつわるストーリーについてとりわけ神経質になってしまう所以だ。 "The L Word" に関して寄せられたたくさんのコメントを受け取ったSnarkerさんは、次のようにファンからの反応をまとめた。「“ジェニーを殺さないで!” と声が多いわけではなく、むしろ “このドラマをクレイジーなやり方で終わらせないで!” という声が多い。」

キャストの中にもそういったファンたちと同じような意見の人もいる。ミア・カーシュナーには7月以降会うことができなかったので、この点に関して彼女の最新のコメントをもらうことはできなかったが、ハートブレーカーのヘアスタイリストであり、ジェニーの一番の親友の シェーン を演じるケイト・メーニッヒは、メールで次のようにコメントしてくれた。「殺人が起こる流れって私には理解できない。テーマが大きすぎて手に負えない感じ。でも一方で、世間はどう反応してくれるかなんてわからない。すごく絶賛されて、もっといいドラマになるのかもしれない。」


今後のこと

『Lの世界』 はまもなく終焉を迎えるが、少なくとも一人のキャラクターの今後は続く。アイリーン・チェイケン氏は、このドラマの面白い部分を存分に盛り上げてくれた快活でおしゃべりなアリスを演じるレイシャ・ヘイリーを主役にしたパイロット版の脚本を書き監修をした。最近Showtimeも “Oz” の女性版だとなぞらえたように、それは女子刑務所もののドラマであるが、そうであることによりファンの間で混乱を招いているだけでなく、誰がジェニーを殺したかもうわかってしまったと嘆いている人たちがいるのも事実だ。(でも明かされていないことは、この先まだまだたくさんあるのだ。)

最終シーズンでは答えは出てこない。アイリーン・チェイケン氏はこう語った。「誰が殺ったのかは解決しないで終わるのよ。必要性が生じた時に、わたしが答えを出せる方向性をいろいろ残して。でも実のところ答えを出さなくてもいいと思っているの。このドラマは、キャラクターのことやリレーションシップを描いているのだから。わたしはこのストーリーを使って、彼女たちのリレーションシップを深く探求することに重点を置いたわけだから。でも正直なところ、ミステリーを解明させないのはリスクを負っていると思っている。」

(Showtimeのブランク氏は、「願わくば犯人を見つけ出せるといいが、わたしにネタバレは言わないでほしい。」と言っていたが、ミステリーがミステリアスなままで終わってしまうのを知らなかったようだ。)

アイリーン・チェイケン氏は、彼女の考える結末が視聴者たちを混乱させたり、ましてや怒らせかねないということを、これ幸いと受けとめているようである。(「文句を言ったり非難する人がたくさんいなかったら、それこそ失敗だということなのだから。」と彼女は言っていた。) チェイケン氏はまた、最初でかつ唯一の成功したレズビアンもののテレビドラマが死んだレズビアンで終わる、それもあたかも別のレズビアンに殺されたかのように終わることが、社会的な批判を受けるであろうことも承知している。 (アイリーン・チェイケン氏曰く、「それは心に留めてあるわ。でも私の一番大事な責任は、良質のストーリーを伝えて楽しんでもらうことだと常に思っているのよ。」)

アイリーン・チェイケン氏がこれほどまでに自信たっぷりでいられるのは、おそらくこのドラマが完全に終わってしまうと思っていないからであろう。「これで終わりだなんて思っていないのよ。自分で何を言っているのかよくわからないんだけど。 “L Word” 映画を作れたらいいなと思っている。まだ具体的に “L Word” 映画のプランはないけれど、是非やりたいと思っている。 どのような形であれ、このドラマは存在し続けると信じているわ。」

「出さなければならない答えがあるとしたら、答えはだすわ。」とアイリーン・チェイケン氏は、最後に締めくくった。

 
 
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Photos thanks to:
- Showtime.com
- l-word.com
- AfterEllen.com
- KateMoennig.net
- showcase.ca
 
 
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