Lの世界の世界 - The L Word

The L Word

~「Lの世界」 の世界 ~ 

 

インタビュー: アイリーン・チェイケンが語る最終シーズン6

By Neil Wilkes article from Digital Spy
June 2008

アイリーン・チェイケン

5年間に渡りTVで放映されているレズビアンドラマ 「Lの世界(The L Word)」がシーズン6をもって幕を閉じる。最終シーズンの見通しは? パリス・ヒルトンは、サプライズ・ゲストで出演するの? ドラマはこれで本当に終わってしまうの? ドラマのクリエーターであるアイリーン・チェイケン(Ilene Chaiken)氏がシーズン6について語ってくれたインタビュー。


Q: このドラマに着手した時、どんな大志を持って挑んだのですか?

アイリーン・チェイケン: 少しの間、このドラマをどのくらい続けることができるのだろうということを、意識的に考えないようにしていたわ。ファンタジー的な考えを避けるよう努力したの。そういう考えをもってしまうことに、ちょっとした迷信があってね。私が自分の仕事を見事にこなせたら、「Lの世界」はゲイの人たちだけではなく、たくさんの人に見てもらえて、そして長い間、人々を惹きつけていられるドラマになるだろうと信じていたわ。

Q: いちばん初期の段階で、このドラマを取り上げてもらうのは大変なことでしたか?

アイリーン・チェイケン: イエスともノーとも言えるわね。私が最初にShowtimeにドラマを売り込んだのが2000年のことだけど、棄却されるってわかっていたわ。その時、売り込みに話をした数人の中堅エグゼクティブたちは、その直属の上司にさえドラマのことを伝えてくれなかったのだから。「このドラマ、素晴らしいねぇ。」なんて言ってくれていたのに、その後まったく音沙汰なし。そして1年後、状況は全て変わって、再びShowtimeを訪れることになったのだけど、この時はドラマを取り上げてもらえるのだとわかっていた。それから時期的なことも、放映してくれるのがShowtimeだってことも、それでいいんだって確信していたの。全く簡単なことだったわ。

Q: その年、何が変わりましたか?

アイリーン・チェイケン: 1年の間には、様々なことが変わっていったわ。カルチャーは常に進歩しているものだけど、時々、あきらかに進歩していることに気づく瞬間があると思うの。ゲイストーリーを描いたTVドラマは数多くあるわよね。大成功だったShowtimeの「Queer As Folk」とか、「Will & Grace」、それに「Queer Eye For The Straight Guy」。わたしの記憶では、テレビでこんなにもゲイキャラクターが描かれていたのは初めてのこと。でも、その時まだレズビアンものはなかったから、「Lの世界」が世に出て当然だということは簡単な判断だった。

Q: 「Lの世界」は、かなりファンの声を寄せ集めていますよね。ウェブフォーラムでファンたちが言っていることに注目していますか?

アイリーン・チェイケン: もちろんよ。かなり注意を払っているわ。最初の頃は、「意見など聞かない。わたしは書きたいことを書く。」なんて言って、非難を浴びたこともあったけど。でも、ドラマを始めてから世の中は変わってきていて、私たちの生活の中でインターネットの存在が大きくなったでしょ。テレビの脚本家なら視聴者たちと交流しないなんて、なんて馬鹿げたことだという時代になったわ。「Lの世界」の視聴者は、とりわけ情熱的だし交流を望むので、わたしはみんなと対話をするし、みんなの声を聞く。常に視聴者の要望に応えるということはできないけれども、視聴者たちの声を聞くことによって、どんなストーリーに仕上げていくか決めていく手助けになるのよ。

Q: よく反応があるのは、どういうストーリーラインですか? またもっと見たいと言われるストーリーラインは?

アイリーン・チェイケン: もっと見たいと言われるものは、“喜び(joy)” と 、“愛(love)” と 、“幸せ(hapiness)”。嫌いだと言われているものは、“ドラマ(drama)” と 、“メロドラマ(melodrama)” と 、“衝突(conflict)”。でもこういった要素がなかったら、もうドラマを見てくれなくなるでしょ。

Q: なぜドラマは終わってしまうの?

アイリーン・チェイケン: まず第一に、わたしは「Lの世界」が終わってしまうとは考えていないわ。「Lの世界」は、様々な形で存続すると思うの。まだどんな風になるかはっきりしていないけど、ファンのみんなには、しっかり腰を据えて次に何が起こるかスタンバイしていて欲しいわ。毎週テレビで放映されるシリーズものとしては、差し当たり終わりを迎えるけれども、それは一息つく時がきたということ。プレミアム・ケーブルでは、評判のいいほとんどのドラマが、たいてい5年が過ぎると、もう終わりの時期だと区切りをつけているわ。私たちはいい仕事をしてきたし、そのいい状態の時に終わらせたいのよ。飽きられた時でなくてね。

Q: 最終シーズンは、もう緻密に計画されているの?

アイリーン・チェイケン: 緻密に計画されているだけでなく、ストーリーもできているわ。私は脚本を担当していて、そのほとんどが現在進行中よ。

Q: 最終シーズンでは何が起こるのか、どんなヒントでもいいから教えてもらえますか?

アイリーン・チェイケン: ヒント? 教えられないわ。ただ言えることは、私たちが今まで伝えてきたもの、追求してきたものをまた続けるつもり。今、唯一の重要なコメントとしておきたいのは、中心キャラクターは全員また出演するということ。それぞれのキャラクターが悲喜こもごも、いろいろな展開になるでしょう。

Q: パリス・ヒルトンがゲスト出演するという噂はどこまで本当なのですか?

アイリーン・チェイケン: それは単に噂にすぎないわ。パリス・ヒルトンはわたしたちのプレミア・パーティに来ていたわね。彼女が 「Lの世界」のファンだとわかってとっても嬉しかったわ。だけど出演するというのはただの噂で、最終シーズンには出演しないわよ。

Q: ドラマの最後のシーンはもう決まっているのですか?

アイリーン・チェイケン: その部分はまだ書いていないわ。書いても変更することもあるし。でももうアイデアは決まっているの。

Q: ファンはそのエンディングに満足すると思いますか? それとももっと続きが見たくなる終わり方だと思いますか?

アイリーン・チェイケン: そのどちらでもあって欲しい。視聴者のことも、皆に愛されてきたドラマのことも、そして皆が心酔しきってくれたキャラクターたちのことも、全てを大事にした結末だと思ってもらえたらいいなと願っているの。確かにもっと続きが見たいと思わせたい。全てをまとめ上げて、かっこよく軽くお辞儀をして終わりになんてするつもりはないわ。

- 終 -

Photo: Thanks to Digital Spy
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