Lの世界の世界 - The L Word

The L Word

~「Lの世界」 の世界 ~ 

インタビュー: ミア・カーシュナー / DIVA May 2008

By the article from DIVA
May 2008

Q: 2回目にロスに来たときには何に目標を置いていたのですか?

ミア: 2回目に来た時に、映画「Murder in the First 」と「The Grass Harp」に出演したけど、「The Grass Harp」では多くのことを学んだわ。ジャック・レモン(Jack Lemmon)、ウォルター・マッソー(Walter Matthau)、ロディ・マクドウォール(Roddy McDowall、彼とは撮影後に友人となった)たちと一緒だった。映画業界で何年も活躍していて目を見張るほどのキャリアを積んだ彼らたちの演技を見て、とても価値のある勉強ができたの。彼らはいつも時間通りだし、完璧に準備ができていて、常にプロ意識があって、そして礼儀正しい人たち。それに、他の共演者のために一生懸命なのよ。ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)にも同じことが言えるわ。映画業界でキャリアが欲しかったら、時間を守ることとせりふを理解することね。そして成功したかったら、誰に対しても親切でいることが不可欠。

Q: あなたはオックスフォード大学やケンブリッジ大学と同レベルの大学に行ったわけですが、この地球上でなぜ女優をやりたかったのですか?

ミア: ずっと女優になりたいと思っていたの。家族に一人も俳優はいないけど、本能的な願望だったと思う。でも演じることは私の全てを満たしてくれるわけではない。なぜって、結局のところ、他の誰かが言ったことをやって、誰か他の人の言葉を言っているだけだから。

Q: 大学では何を学んだのですか?

ミア: 専攻ではないのだけど、とったクラスはすべて19世紀のロシア文学。

Q: ロシア語を話せるのですか?

ミア: いいえ。でもそのコースは英語だったの。そこでかなり多くの時間を費やしたわ。ロシアという国が大好きなの。サンクトペテルブルク(St Petersburg)市は、世界中で最も美しい街の一つでしょう。

Q: 今、LAで長い時間を過ごしたりしているのですか?

ミア: LAにいることはあまりないわ。今はパリに住んでいるの。そして1年のうち半分はバンクーバーにいるでしょ。

Q: 決まったボーイフレンドはいますか?

ミア: そんなことを聞いてきたのはあなたが初めてよ。いないわ。

Q: 整った顔立ちですね。

ミア: ありがとう。でもそうではないわ。

Q: 今まで俳優とデートをしたことはありますか?

ミア: ないわ。おそらく仕事関係以外の人とデートしたほうが無難じゃないかしら。誰と恋に落ちるかなんてわからないけど、俳優とデートしたって業界での持続性を促すわけではないから。

Q: パリでの生活について教えてください。住む場所を所有しているのですか?

ミア: ええ、買ったわ。今、改装中。18区にあってブドウ園のすぐ隣り。10年間夢に描いていたの。こんな大きな二重窓を開けると公園を見渡せるような、そんな場所をいつも心に抱いていたの。やっと見つけたその小さな美しい住まいには、モロッコ風のバスルームに真鍮の蛇口。とってもロマンティックなのよ。

Q: たしかにロマンティックですね。でも一人暮らしでしょ。無駄ではありませんか!

ミア: 無駄ではないわ。一人だろうと、誰かと一緒だろうと、常に快適であるべきなの。愛する人がいたらいいかもね。長い間付き合っている関係でなければならない必要性なんてないのだから。

Q: その物件はいつ買ったのですか?

ミア: 2005年に、自分の誕生日のお祝いにパリに行ったのだけど、その時もうすでに長い間物件を探していて、何度も戻っては見ていた物件が今持っているところなの。決めたらすぐに買いのオファーを出したわ。そこが自分で買った初めての物件なの。パリで不動産を買うまで、LAで住む場所を買うなんて考えられないことだったわ。

Q: では、フランス語を学んできたことはとても役にたったのでは?

ミア: とっても役に立っているわ。

Q: フランスでも仕事をしようと試みたことはありますか?

ミア: バイリンガルだけど、まずフランス語にもう少し磨きをかけなくちゃ。好きな女優はイザベル・ユペール(Isabelle Huppert)。映画「The Piano Teacher」での彼女のパフォーマンスは完璧。彼女のような素晴らしい女優を目指しているわ。

Q: ところでジェニーのことは好きですか?

ミア: ジェニーを言い表すと、めちゃくちゃ、人が悪い、二枚舌、複雑、腹立たしい、といったところ。でも有難いことに、ディレクターのバー・スティアーズ(Burr Steers)、リサ・チェンデンコ(Lisa Cholodenko)、トニー・ゴールドマン(Tony Goldman)たちは、まるでミニチュアフィルムのような回顧場面を作ってくれている。ジェニーは常に変化し続けているけれど、いろいろなことをするのはいいことよね。

Q: 時が経つにつれ、ジェニーというキャラクターについて以前より提案したりしますか?

ミア: あまりそのようなことはしたくないわ。わたしはこの5年間、「I Live Here」という本の執筆に取り掛かっていて、自分の時間のほとんどをそれに費やしている状態。元Adbusters(グローバリゼーションとアートに関するカナダの雑誌) のスタッフだった Paul Shoebridge と Michael Simons との共同制作なの。Pantheonから出版される 「I Live Here」は、世界中にいる強制移住者たちに関する本で、そのためにわたしは、ビルマ、タイ、イングセチア(チェチェン共和国との国境)、そしてマリ共和国といった国々へ広範囲に渡って旅をして周り、強制移住者たちに彼らの生活ぶりについて書いてもらい、それを小さな選集にまとめあげてもらって、有名なコミック&グラフィック・アーティストたちに引き渡したの。そうして、それぞれの場所での人道的な状況がどうなのか説明するようなイラストが付いたのよ。私自身が書いたものは、全体を通してところどころに記述されているわ。ドラマ「Lの世界」が本の出版料を払ったようなものだと言われるかもしれないわね。

Q: 本のアイデアは素晴らしいですね。もうすぐ出版ですよね?

ミア: アムネスティ・インターショナルのためだわ。そう、もうすぐ刊行。一冊の本を最初から作り上げていって、そして著作権代理人と最後に出版社を決めることができたことは、個人的にも大きな達成感があった。

Q: 旅費は自分で出資したの?

ミア: 当初融資はなかったのよ。私一人でこの本を作ったわけではないの。パートナーの二人が本の出版をやり遂げるのに仕事をやめざるを得なかったから、昨年銀行でローンを組んでもらったわ。資金集めや説明をしていく過程って、恥をかいているようだし非常に骨の折れることだった。だから、「もうこんなことやめよう。銀行で借りちゃおう。」って流れで。

Q: その本を出版する動機は何だったのですか? 明らかに利益を追求したものではなさそうですが・・・

ミア: 書くことがすきなの。たいてい自分の世界観から沸き起こってくるものを書いているわ。私の家族は避難民で移民。父はジャーナリストだし、姉(妹)の作品には、Margaret Atwoodに編集してもらった小説があるわ。だから、書くことがすきなのは明らかに家系によるものね。お金をただ使ってもよかったし、マギル大学の上をいく教育費に充てたりとかそんなことに使ってももよかったんだけど、書くことに使ったわ。これってすごいことよね。

Q: あなたの家族はどこの出身なのですか?

ミア: 父方の家族はポーランド人だけど、ホロコーストにいたわ。そして母方の家族はブルガリア人でイスラエルに移住したの。家族の半分はホロコーストで亡くなったのよ。これは、わたしが本を出すことになったもう一つの動機でもある。なぜなら誰も家族の歴史を記録していなかったから。私たちがどこからやってきたのかといった情報が完全に抜け落ちちゃっているのよ。だから生き残った者が人生で何が起こったのかということを書き留めておくことが大事なことだと感じたわ。

Q: 文書化するということ?

ミア: ええそうよ。別に虚栄心からきたプロジェクトではないの。多くの人たちがこの本のプロジェクトに携わってきたの。名前こそ出さないけど、自分の出演作品のプロモーションのために、このような社会的活動のことを言ったりする不誠実な俳優もいたりするけどね。そんなことは、わたしにとっては社会的活動の誠実さを安っぽくするだけだわ。今回出版する本は、私のジャーナルを組み込んで一体化させたものだけど、このプロジェクトでパートナーのJoe Sacco と Phoebe Gloecknerには、とっても助けてもらった。どうか、「どうせ女優本」といった先入観をもたないでくださいね。

- 終 -

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