Lの世界の世界 - The L Word

The L Word

~「Lの世界」 の世界 ~ 

レポート&インタビュー: 第19回 GLAAD メディア・アワード - サンフランシスコ -

BetteAndTinaForever article from L-word.com
May 2008

時間も押していたので質問は各人2つまでと言われ、あらかじめ準備してきたいくつかの質問の中から、重要と思われるもの2つを選び出さなければならなかった。その2つが、あなたにとってもさほど重要でもない質問でしたらご免なさい。

ジェニファ-・ビールス

Q: さぁ、始めるわ。たった2つしか質問できないんですって。

ジェニファ・ビールス: さぁ、どうぞ。私が今話すことができるベットとティナのことについてでしょ。(笑)

Q: もちろんよ。シーズン6で、ベットとティナに期待しているのはどんなこと?

ジェニファー: あれ、その質問は前にされたと思うけど。

Q: していないわ。前に聞いたのは、二人がヨリを戻したら嬉しいかどうかということで、今回聞きたいのは、シーズン6で、ベットとティナに期待していることというか、希望はどんなことかということよ。

ジェニファー: じゃぁ、陽気なにぎわいがあって欲しいってとこかしら。今はそれくらいしか言えないわ。

Q: ローレルも同じこと言ってたわ。楽しいことがあって欲しいって。

ジェニファー: 陽気なにぎわいがあって欲しいし、幸せであって欲しい。それから喜びもあったらいいわね。でも私は、いろいろなことが盛り込まれるのを期待しているのよ。だって、いつでもどんなときでもただ陽気なだけだったらドラマにならないでしょ。どんな展開になるか見ていましょう。

Q: では2つ目の質問。OurChartのサイトで、あなたが撮ったドラマの舞台裏の写真を見たの。あなたは写真家としても本当に素晴らしいと思うけど、写真集を出版したりする予定はないの?

ジェニファー: Pfft(プフッーーというような音を出して、もう一度テープレコーダーの方にも) Pfft(プフッーー) (笑)。

Q: それ、何て書けばいいのかさえわからないわ。
(まわりの人たちは笑っていたが、わたしの隣に立っていた人がスペルを教えてくれた。“P F F T” だよと。)

ジェニファー: 写真集の出版予定はないわ。

Q: 出版するべきよ。私は少なくとも5冊は買うから。

ジェニファー: ありがとう。ありがとう・・・。


自分のインタビューを終えたが、まだみなさんにお伝えできる情報があるかと思って、他のインタビュアーたちが質問するのをそばに立って聞いていた。

AfterEllenのインタビュアーは、レズビアン、ゲイ、トランスジェンダーに関する認知度が上がってきていることについて訊ね、そういった話題が広まることは、同等に結婚ができたり、もっと受け入れられることに一役買っているのではないかと思うというようなことを話していた。ジェニファーの返答は、すべてのコミュニティは繋がっていて、ある意味みな同じようなものだし、ある意味違うということ。彼らの話題が広まるということは、平等への認知度や可能性を増幅させているということだった。またジェニファーは、いつも “別の自分(ベットのこと)” を感じながら生活しているので、自分はLGBTコミュニティと繋がっている気がしているとも付け加えていた。

また別のインタビュアーは、しっかり練り上げられたローレルとのセックスシーンについて聞いていた。ジェニファーは、リハーサルを何度も積んでいるし、いろいろなテクニックがある。どのシーンも動きの指導があり、すべてはカメラ映りがどうかというところ。そして、ドラマにはセクシャリティが大事ねと語っていた。

ジェニファーのインタビューをもう少し聞いた後、シャロン・ストーンの写真を撮るため移動した。彼女もまたインタビューを受けている最中だった。面白いことに、シャロン・ストーンが登場したにもかかわらず、彼女のまわりはフォトグラファーだけが忙しく写真を撮っていて、他の人たちはジェニファーのところにくっついたままだった。ご免よ、シャロン!

ジェニファーは、まだレポーターたちと話をしていたが、その時、わたしの背後にアイリーンが立っていることに気づいた。ジェニファーのインタビューが終わるのを待っていたのだ。わたしは、笑みを浮かべながらアイリーンの方へ近寄った。

アイリーンが、「ジェニファーは、何て言っていたのかしら。」と聞いてきた。わたしは、「ジェニファーは、シーズン6でベットとティナには楽しいことがあって欲しいって言っていたし、ローレルもこの前会った時に同じことを言っていたわ。」と言った。そうしたらアイリーンは、「それじゃ各エピソードに二人のシーンを “数分間” は盛り込むわ。」と言った。

アイリーンの言ったその言葉は、私たちがベットとティナにはハッピーで平穏無事であることを願っているのなら、二人のシーンはとても限られたものになるということを意味していると思った。それで慌てて、「ちょっと待って。各エピソードに TiBette(ベットとティナ)のシーンが1分間だなんて全然足りないわ。各エピソードにセックスシーンがあって、その話なら別だけど。」と返した。

アイリーン・チェイケンとジェニファ-・ビールス

アイリーンは笑っていたので、わたしはまた一言付け加えた。「二人にはもうそんなにハラハラしたドラマはいらなくて、ただハッピーでいて欲しいの。」 するとアイリーンは、「あなたのその気持ちはわかっているわ。」と言い、その時ジェニファーとの写真撮影のため呼ばれ、私たちのやりとりはそこで終わった。

アイリーンとジェニファーは、写真撮影でポーズをとっていた。ご存知の通り、アイリーンは背が低い。私よりも低いのだ。二人は背丈のことをネタにジョークを言い始め、ジェニファーは自分よりアイリーンの方が背が高く見えるようにかがんだ。なんてキュートなジェニファーだったことか。

そしてやっと、わたしはスタッフたちを集めダイニングルームへと向かった。セレモニーはまだ始まっていないことがわかり一安心。ディナーを食べながら同時にショーを楽しめることもわかって嬉しかった。ウィリアム・ボールドウィン(William Baldwin)のオークションは、面白くて最高だった。

シャロン・ストーン

アラン・カミングは、Vanguardアワードをシャロン・ストーンに進呈していた。そのスピーチの中で、彼女が出演した映画 “氷の微笑(Basic Instinct)” の脚を組み替えるシーンを引き合いに出して、もうすでにみんなシャロンの全てを見てしまっているんだといったジョークを飛ばしていた。シャロンもアワードを受賞した後、そのことをネタにジョークを言っていた。出演映画 “ウーマン・ラブ・ウーマン (If These Walls Could Talk 2)”の中で、エレン・デジェネレス(Ellen DeGeneres)とのラブシーンを撮影している時の裏話をしてくれたシャロンのスピーチは最高に面白かった。

当初台本には、二人がただキスをして、ランプが壊れるシーンで終わり、とだけ書かれていたそうだ。それからシャロンは笑いながら続けた。「だれがどうやって、その台本だけでゲイセクシュアリティのラブシーンをどう演じたらいいかわかるっていうの? つまりわたしはストレートなわけだし、セックスだってするけれど、セックスで壊れるような家具なんてないからわからないのよ。」 それからシャロンは、とことんラブシーンを撮りましょうと提案したことを明かした。そしてその提案が承認されると、シャロンは本当のレズビアンに見せるのにはどうすればいいのかとエレンに質問攻めで、かなりの時間を費やしたという。

ジェニファ-・ビールス

アイリーンは、この晩最後のアワード受賞者だった。プレゼンテーターは、ジェニファー・ビールス。この晩いかにジェニファーがゴージャスだったか、もうすでに何回か書いたが、ステージに立ってスピーチを読み上げるためにメガネをかけたその姿は、もう本当にかわいらしく、ほれぼれとするほどだった。ジェニファーは、メガネをかけながら、その自分のメガネのことでジョークを言った。「図書館員みたいでしょ。でも読むときには必要なの。いつの日かコンタクトレンズを買える日がくることを願っているわ。」

ジェニファーのスピーチの全ては録画できなかったが、「今晩、「Lの世界」のクリエーターであり、エグゼクティブ・プロデューサー兼プロデューサーでもあるわたしたちの愛すべきボス、アイリーン・チェイケンに権威ある表彰を贈ります。」と、アイリーンのDavidson/Valentiniアワード受賞を告げた後のジェニファーのスピーチの一部は、コチラ(YouTube動画)に。拍手の後、ジェニファーがアイリーンの業績と仕事について語り始めた場面を収録。

アイリーン・チェイケンとジェニファ-・ビールス

ジェニファーのスピーチが終わると、「Lの世界」からのクリップとアイリーンのインタビューのビデオが流れた。その後アイリーンがステージに立ち、ドラマ「Lの世界」が終わった後に始まるであろうレズビアン刑事のドラマや、漫画のスーパーヒーロー(ホモセクシュアルで億万長者の実業家)のドラマのことに触れ、さらに、2009年に「Lの世界」の放映が終わった時に、LGBTコミュニティが、脇役として思い出されるような存在ではなく、大きな意味を持つコミュニティとなっていることが自分の願いだと語った。そして最後に、Showtimeに「Lの世界」の話を持ち込んだ際に、スマートでセクシーなレズビアンもののテレビドラマを作るには、Showtimeからの支援金が必要だということと、ジェニファー・ビールスを主役とすることを申し入れたことも明らかにした。

ディナーとプレゼンテーションは終わり、一息入れに部屋の外に出た。部屋に戻った時に、ジェニファーがダイニングルームの外に出て行こうとするのが見えたので、わたしは勇気を出して彼女に話しかけた。「ジェニファー、ロサンゼルスでわたしに言ってくれたこと覚えてる? 次に会った時に一緒に写真を撮ってくれるって。今が“その次に会った時”なんだけど。写真一緒に撮ってもらってもいい?」

ジェニファーはもう帰るつもりだったのに、OKよと言ってくれ、警備員がわたしたちの写真を撮ってくれた。その間ずっと、「どうか、ちゃんと撮れていますように。もしよく撮れていなかったら、またジェニファーにお願いするガッツはわたしにはないのだから。」と考えていた。結果、写真はよく撮れていたけど、ここに載せてなんて言わないで欲しい。ジェニファー・ビールスは女神のように写っているけど、わたしはあらためて写真写りが悪いということを認識したほど。世界中の人と共有するほどの写真ではない。(それにもちろん、ロシアのマフィアに身元がバレないように、わたしの正体を隠さねばならないし。)

ジェニファーはエレベーターに乗り、部屋に向かった。母の日なので家に戻るため、できるだけ早くサンフランシスコを出るのだということは聞いていた。アイリーンも同様にそうだったようで、パーティのあと彼女の姿は見えなかった。わたしは自分の部屋に戻って着替え、セレブリティ・アフター・パーティに出るためマリオットホテルに戻った。アラン・カミングが、彼のパートナーと一緒に来ていた。実はこの二人、イギリスで結婚したばかりで、アランはプレゼンテーションの中でそのことを報告していた。それからHBOのTVシリーズ「Entourage」からはレックス・リー(Rex Lee)が、そして受賞者やプレゼンターを務めたあまり有名ではないセレブリティたちが来ていた。飲み放題でダンスあり、おしゃべりあり、リラックスタイムありで、楽しいパーティだった。

- 終 -

Photo: Thanks to L-word.com and glaad.org

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