レイシャ・ヘイリー(Leisha Hailey) は、ドラマ「Lの世界」でアリス・ピエゼッキーとして活躍中の間にも、いつミュージックシーンに戻ってくるのかという質問をずっと受けてきていた。元々レイシャ・ヘイリーの名が知られていたのが、90年代に活躍したフォークポップデュオ、Murmursの片割れとしてだったからだ。彼女の音楽ファンは、長いこと待っていたわけだが、新たに結成したバンド Uh Huh Her の初アルバム、『Common Reaction』がついにリリースされた。
レイシャ・ヘイリーの相棒、カミラ・グレイ(Camila Grey)は、ドラマ「Lの世界」のめまぐるしいスケジュールの影響を受け、まともな活動ができない時期もある。Uh Hur Herのリードヴォーカルをしているだけになんとも気の毒であるが、彼女はレイシャ・ヘイリーと同様に曲作りをしつつ、レコーディングのプロデュースもしている。レイシャ・ヘイリーがジェニファー・ビールスやシビル・シェパードと共に名声を高めている一方で、カミラ・グレイの方は、ドクター・ドレー(Dr. Dre) や トリッキー(Tricky)、そしてケリー・オズボーン(Kelly Osbourne)と共に仕事をしていた。
この二人の出会いは、当時メロウドロン(Mellowdrone)というバンドのメンバーだったカミラ・グレイがコンサートを終えた後のことだ。その頃、レイシャ・ヘイリーは、再び音楽業界に戻ることを志していた。その後二人は、1年のうちに5曲を書き上げ、サラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)やレディトロン(Ladytron)を抱えるNettwerkレーベルでフルトラックの準備ができていた。そしてこの8月18日に初のアルバムをリリースしたのだが、ちょうど1年前のこの日は、Uh Huh Herがレコードレーベルのロサンゼルスオフィスで、選ばれたファンを招いて初めてパフォーマンスを行った日であった。
Q: 二人とも人脈が広そうだけど、アルバムに関してはお二人だけでやってきているんですってね。ドクター・ドレー(Dr. Dre)など、他の誰にも助けを求めていないんですって?
レイシャ・ヘイリー: 人脈があるのはカム(カミラ・グレイのこと)よ。
Q: ちょうど テーガン&サラ(Tegan and Sara's Coachella)のブログを読んだところだけど、彼女たちをリンダ・ペリー(Linda Perry)に紹介したのはあなたなんですってね。あなただってよく人を知っているじゃない。
レイシャ: あぁ、あの話ね。始めあの二人はリンダ・ベリーのこと知っていると思わなくて。二人ともキュートだわ。私たち彼女たちのことが大好きなのよ。
カミラ・グレイ: 私たち、あの二人と一緒にツアーができるようがんばるつもり。
Q: デュオをやっていて、人脈があって・・・ 誰か有名なミュージシャンにレコーディングに参加してもらうこととか考えたことはあるの?
レイシャ: えーっと、例えばリンダ・ペリー(Linda Perry)なんかは、いつか一緒にやってもらいたいと思っている。私たちは彼女がやっている音楽が好きだし、彼女は私たちがやろうとしていることを理解してくれているの。だから、いつかタイミングが合った時にそれは実現すると思う。だけど意識的に話を持ちかけているのかというと・・・
カミラ: 私たちは今、自分たちがやるべきことを見つけ出そうとしているのよ。
レイシャ: そうなの、私たちはまだ始めたばかり。まずは曲を書いてやっていかなきゃ。
Q: 作詞作曲はどういう流れでやっているの?
カミラ: 合わせてやっているわ。
レイシャ: どの曲も確実に違った出来上がり方をしているね。でも明らかにカム(カミラ・グレイ)がプロデューサー。わたしはその辺のこと全くしないで、ただ、「そんな風に音作って! オーケー、いいね、いいねー!。」って言って帰っちゃうのよ。
カミラ: だからそのあと、わたしは残って仕事をするわけよ。
レイシャ: 別にしなくたっていいのよー。でも仕事が好きなのよね。一晩中だってやっているんだから。根本的に、わたしたちは常に時間的制約があって、今回のアルバムを作るのに一年以上かかったの。カムがバンクーバーまで来てくれて、一緒に曲作りをして、少し出来上がったとかそんな感じ。アルバム作りのために、一緒に過ごせるまとまった数ヶ月の時間があったわけではないの。
Q: そう。誰にも邪魔されないようなところにこもりっきりで曲作り、みたいなことができなかったってことね。
レイシャ: そうしたい。いつか絶対そんな風な曲作りを。
Q: レコードの発売日が一度延期されたのはどうして? これはいい意味で?
カミラ: (最初の発売日の設定は)ある意味慌てていて、早くレコード会社に渡したかったからだと思うけど、延期したのはマーケティング的にはいいと思ってそう決めたの。
レイシャ: それから、これは私の推測なんだけど、レコード会社は、ハイファイでないホームメイドっぽい音になるだろうと思っていたのに、実際出来上がった曲は、期待以上に大衆受けするようなものだったので、結束してプロモーションに力を入れてくれたんだと思う。そうしてもらえて有難いよね。
Q: お二人は恋人がいるの?
レイシャ: いるよ!
カミラ: ええ、いるわ。
Q: ツアーで長旅になると恋人との関係を維持するのが大変でしょう。
レイシャ: 今のところすべてうまくいってるわ。
カミラ: その時をエンジョイしているわ。
Q: カミラも同性愛者なの? 同性愛者と見られたりする?
カミラ: わたしはプライベートなことは話したくないわ。その恋人がいるかという質問で油断させておいたわね。
Q: 曲作りは、まったく自叙伝的なもの?
レイシャ: そうなの、あの部分もこの部分も。
カミラ: 少しは隠喩的なものもある。
レイシャ: そうだね。
カミラ: 全てが実際にあったことというわけではないわ。
Q: シングル曲では、押したり引いたり動揺している様子が伺えますね。例えば“Run Away”と言った後に“Stay”と言ったり。
カミラ: 私たち二人はまったく違う環境にいたの。完全に違う背景を備えている者同士が一緒に曲を作ったら、どんなものができるか想像もつかないわ。
レイシャ: わたしはそういうの好きだけど。
カミラ: なんか不思議よね。わたしは誰かのために叙情的な曲を書いたことがないのに。こういうのって自分でも面白いと感じている。
Q: 聞く人にとっては意味を突き止めるのが大変だと思う。特に、詞を文字通りに解釈しようとする人にとっては、だれが書いたの? どうして? って思うかもしれない。
レイシャ: それっていいんじゃない。聞いてくれた人がどんな風に思ったか聞いてみたい。曲を書いている時に、聞く人はこんな風に感じるんだろうなって思う時もあるでしょ。
カミラ: それで、意味を取り違えられることもわかってる。
レイシャ: ちょっとしたジョークなんだけどね。
Q: それじゃ、一つ意味を知りたいのが、「Pay if you want to go down」ってところなんだけど。
カミラ: 文字通りに解釈しちゃだめよ。“破滅する”ってとこかな。
レイシャ: 過ちを犯したら生涯償うってこと。
Q: なんだ、セクシーっぽい意味じゃないのね。
レイシャ: セクシーでしょ!
Q: ところで、Nettwerkレーベルとはどういういきさつで提携したの?
カミラ: わたしはもうNettwerkと契約していたのよ。だから今度は二人で契約したってわけ。