Lの世界の世界 - The L Word

The L Word

~「Lの世界」 の世界 ~ 

インタビュー: ローレル・ホロマン

By Karman Kregloe article on AfterEllen.com
January 2008

ベット、ティナ、シェーン

Q: なんだかシーズン1の時と同じ気持ちが蘇ってきたみたいね。

ローレル・ホロマン: そうなの。そう思うわ。でもシーズン5にはさらに新しいキャラクターが何人も加わるので、それもまたおもしろい。ティナがプロデュースしている映画や映画産業のことが、もっと重要なストーリーになるの。その中で新しいキャラクターが何人か登場するわ。コメディもあるし、キャラクターたちも素晴らしいし、シーズン1にあったような友情ストーリーに戻って、さらに新しいキャラクターたちが加わった感じね。

ジョイス役のジェーン・リンチ(Jane Lynch)と、フィリス役のシビル・シェパード(Cybill Shepherd)もまた出演するわ。彼女たちは最高。でもとにかくシーズン5は、オリジナルキャラクターの友情に焦点を当てていると言えるわね。

Q: それは楽しみ。聞いていると思うけど、ティナの状況が行ったり来たりなかなか進まないことに不満を持つファンもいるみたいね。それについては、どんな気持ち?

ローレル: そうねぇ、「Lの世界」は、もう5年も続いている1時間放送のドラマよ。もしティナが何も変わらず常に同じようなキャラクターだとしたら、今度は逆になんて退屈なキャラクターなのって言われると思うの。プロットや筋書きに従うことが、私の仕事だと思っているし、そしてそれにまつわるティナの振る舞いは、私が生み出すものだと思っているの。だから私は、「どうしてティナはそんな風な振る舞いをするの? どういうことなの?」っていうようなことを常に問いかけていくべきなのよ。

総指揮プロデューサーのアイリーンは、白黒はっきりしないキャラクターを生み出すのが得意なの。要するに、白黒はっきりしないグレーの部分を持っていたり、常日頃完璧な態度をとっているわけではないキャラクターってこと。俳優にとっては、それはやりがいがあることよ。思うに、アイリーンは最初、ティナを好感の持てるキャラクターに仕立てておいて、そのあと色々な場面でそうそう完璧な態度をとるわけでもないティナにしたんだと思うわ。でもそれが良かったんじゃないかしら。

ティナとヘンリー

ティナはベットと付き合っていた8年の間、いつも幸せだったとは思わないわ。ずっと感情を抑え込んでいて息が詰まりそうだったのよ。アイリーンがいつも私に言っていたことが一つだけあるんだけど、それは、「ティナがヘンリーの許へ行ってしまった理由は、ヘンリーとの関係がベットの時ほど保守的なものではないからよ」ということだった。ティナはベットの“妻”でしかなく、満足した生活ではなかったけど、その点ヘンリーは、ティナが仕事をすることに何も不満は言わないし、言いたいことを言わせてくれた。そういった意味では、彼はいわゆる現代的な男性ってわけね。

ベットとジョディ

でもその期間、ベットの性格も大きく変わっていったのよ。ティナが、「あなたの支配欲は病的よ!」と捨て台詞を吐いて出て行くシーンがあったけど、あれは重要なテーマよね。ティナはベットに、ジョディとのことで同じ過ちをしないように言うけれど、ベットは聞き入れないのよ。でもベットはジョディと付き合うようになって、初めてティナとの8年間で自分のしてきた態度に気づくの。それからティナは裏切られもしたわね。

ティナ

Q: そうね。

ローレル: そして、自分はそれまでの8年間は完全にベット一人だけだったという事実にまだ落ち込んでいるのよ。それは生まれ持った気質なんでしょうね。あのような裏切りは、そう簡単に乗り越えられるものではないと思うの。一度裏切られたら、邪険にされてもなんともない人でない限り、また戻って「私はあなたの妻でいたいの。また裏切られてもいいの。」なんて言わないでしょ。でもそんなのって、ただ退屈なキャラクターになるだけだわ。

自分が演じている人間をまず愛さないとね。誰でも型にはめられないでしょ。型にはめてしまったら、うまく演じられないわ。わたしはどのくらいティナのことをわかっているんだろう。かなりわかっているとは思うんだけど。

Q: それでは、ドラマの他のキャラクターたちと比べては・・・

ローレル: 私は個人的には好感度のために演技をしたりしないと思う。 キャラクターの本質を演じるわ。それは演技するものとしては大事なことだと思うの。だって見ている人は、その人物がなぜそのような振る舞いをするのか、その内面的な真実を知る必要があるでしょ。おそらく視聴者は、今年のティナの振る舞いが好きだと思うんだけど。(笑) ティナはベストを尽くしているし、その理由もあるわ。

面白いなと感じるのが、多くのファンたちに会ってみると、みんなの意見は両極端だってこと。例えば、「私の元カノも浮気をしたのよ。だから私も他の人と付き合ったの。」とかね。ティナの場合、その相手がたまたま男性だったわけだけど、そんなティナの行動をどう捉えるかは、あなた自身がパートナーとどういう関係でいるのか、またどんな役割をしているのかによるのでしょうね。

最初から変わらないティナについて一つ思うことは、彼女は生まれつき一人の人を愛するタイプで、強烈な誠実さを持ち合わせているということ。ヘンリーと付き合いだす前に、ベットとは別れていたの。そう、二人は “終わって” しまっていたのよ。だからティナが誰かとデートしていても、遊び人だとは思わないわ。彼女は関係を持つべきなのよ。ヘレナとのことでさえ、当時のティナにはあのような関係が必要だったってことよ。

ベットとティナ

ティナが自分は美しくないんだと自信を失っていた時に、ヘレナはティナに美しいと言ってくれたの。ティナは妊娠して体重も増えていたし、ベットに裏切られた直後でもあった。彼女は自分自身に自信がもてなかった時に、ヘレナと二人で関係を築いたのよ。だから妊娠中も、デートしたし、強烈な関係をもてたの。これは演じるのが面白かったわ。

他のキャラクターに比べたら、ティナはいつの時でもだれかと付き合っているというタイプではないの。シーズン5でカバーされている話題の多くが、ティナはどうデートしているのかとか、どうやってそれをしているのかといったこと。すごくいいストーリーラインの一つに、「ベットは妥協しない」ということをテーマにしたものがあるの。彼女は選り好みが激しいでしょ。ティナはもっと激しい。それにティナはロマンティックで、ベットが自分の人生の“愛”だと思っているわ。軽い気持ちでデートしたりできないのよ。 バーで若い女の子をナンパしてどこかへ行って、「あー、楽しかった。」っていうのは、彼女がするようなことではないわ。ティナは英気を養うためにセックスを捜し求めたりしないけど、誰かとつながっている感触が必要なの。

Photo: Thanks to AfterEllen.com

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