Jennifer, Laurel and Rachel Q&A's
ジェニファー・ビールス、ローレル・ホロマン、レイチェル・シェリーの3人がステージに現れると大きな拍手が沸き起こった。レイチェルはご覧の通り、短いフェザーで縁取られ、前の部分に “KISS ME QUICK (早くキスして!)” と書かれたとってもかわいいピンクのカウボーイハットを被り、かわいらしい装い。ささっと小走りをしてローレルより先にジェニファーの隣に座り、tibette に挟まれた席に満足そうだった。
全員が席に座ると、ジェニファーは前日のQ&Aにひっかけて、「レイチェル、オーガズムを披露しなくちゃならないのよ。」と言ってまず始めた。レイチェルの見せてくれたオーガズムは面白バージョンだった。
Q: レイシャ・ヘイリーを一言で表現すると? それから彼女と一緒に仕事をするのはどんな感じなのでしょう?
ローレル: レイシャを一言で表現するのは難しい。言うなら “真のルネッサンス的教養人”ってとこかな。レイシャは何でもやりこなせるのよ。なんとも素晴らしい女優であり、シンガーであり、台本10ページ分の一人芝居だって、渡してから1時間後には完璧に演じてくれるわ。それから、彼女はアドリブの女王だし、素晴らしいほどにコメディの才能もある。
ジェニファー: それから、レイシャは腕のいい大工だわ。あっ、“大工!”。
ローレル: レイシャのことは、 “All Over Me” に出演する前にも見たことがあって、ただただすごいなぁと思っていた。それで、ティナ役のオーディションに行った時に、トイレでレイシャのことを見かけてしまった時は、「あらら~、ティナ役じゃありませんように。じゃなきゃ、わたしは落ちちゃう!」って思ったものよ。
Q: 炒め物をしている途中で始まるセックスシーン (S5ep6) で、なぜ火災報知機が鳴り出さなかったのでしょうか? ベットは料理中なのにすべて放り投げ、お料理はどうなっちゃったの?
ジェニファー: お鍋とフライパンは、おそらく後で処分しなくちゃならなかったでしょうね。
Q: 女優たちは、どのくらいストーリーラインに影響を与えているの?
ジェニファー: アイリーンは常に開放主義だけれども、彼女が求めるストーリーラインの行く末については、かなりはっきりとしたビジョンを持っているのよ。でもセリフについては、誰かが撮影しているその瞬間に 「このほうがいい。」 と思ってアドリブでセリフを作れば、たびたび違った言い方に変わったりした。この6年間で、みんなそれぞれ自分のキャラクターのことをとっても理解していたのよ。
ローレル: アイリーンがセックスシーンの出来にとっても満足した時って、わかりやすいのよね。こんな風に、にっこり笑いながら中に入ってきて、「素晴らしい出来! (beautiful work!)」 って言うのよ。
Q: シーズン5のジョディとのThrow-downシーン (投げ下ろすシーン S5ep7) で、ベットはどんなことを考え、どんな気持ちでいたの?
ジェニファー: ベットの気持ちは・・・、ジョディに隠れてこそこそしていることへの恥ずべき思い・・・、心配・・・、混乱・・・、それから “もう一人の人(ティナ)のことを乗り越えるためにあなたを必要としていたのに、どうしてそれに応えてくれなかったの?” というジョディに対する怒り。とても感情的に複雑なシーンよね。
Q: また別の新たなシリーズものをやることは考えられる?
ジェニファー: そうね。やらない理由もないわ。でもそれは、本当にいいキャラクターで、そのシリーズそのものが信じられるものだったらの話。だって信じられるものでなければ、例えば6年といったような長い期間、それに打ち込むことってできないもの。あ、でもまた新たなシリーズものをやるのって難しいかもしれない。「Lの世界」で一緒に仕事をした素晴らしいクルーたちに、甘やかされちゃったからね。
Q: ベットとティナが流産してしまった男の子のことで悲嘆に暮れているのを見たことがないけど、悲しむことってあったのでしょうか? 時々、その子は忘れられてしまっているのではないかと思ってしまいます。
ジェニファー: あの子のことを忘れてなんかいないわ。ベットとティナはおそらく見えないところであの子のことを思い出しては悲しんでいたはずだし、これからだっていつもそう。
ローレル: アンジェリカが生まれてきたことが傷を癒し始めてくれたのよ。それに、家族全員のためにもベストを尽くして前に進んでいかないとね。
Q: ジェニファーへの質問。ベットは、ジョディが取り組んでいたという彫刻作品をあの報復的な映像の構成素材が公開される前に見たの?
何を聞かれているのか理解しようとしているジェニファーはキュートだった。
ジェニファー: みなさんの方が、わたしよりよっぽど細かいところまで気づいてよく覚えているわよね。
ローレルとレイチェルも、この質問が何のことを言っているのか最初は考えていたが、シーズン5でジョディの家にアーティストたちが集まったディナーの時のシーン (S5ep8) だとわかり、彫刻作品は、(そのディナーの後) ベットとティナがキッチンで二人だけの時を過ごしている間、ジョディが他の人たちに屋上にあると言って見せにいったもののことを指しているのだとわかった。
ジェニファー: あ~、あの彫刻作品のことね。
レイチェル: あれは、実は映像の構成素材だったのよ。
ジェニファー: 違うわよ。
ベットはハマー美術館のイベントの時 (S5ep12) まで、その映像の構成素材を見ていなかった。
レイチェル: いいえ。あれは違う構成素材だったの。“ベットへの賛辞”みたいな。でもジョディがベットとティナのことに気づいてしまった後、結局ベットを嘲るようなものに変更してしまったのよ。
ジェニファー: 違うって。どうして映像の構成素材が屋上になくちゃならないの。
レイチェル: 知らないわよ! ただどう理解するかということよ。
ローレル: (観客の方に向かって) これだから、この二人の間に恋愛関係なんて絶対あり得ないのです!
会場は大ウケ。すごく面白い場面だった。
Q: もしまたみんな一緒に仕事をする機会があったら、やってみたいですか? そして、もしやるならどんなプロジェクト?
ジェニファー: 女性だけで女カウボーイの映画みたいなのをやってみたい。(筆者が思うに、Brokeback Mountanを意識しての発言。)
その時、レイチェルがジェニファーの方を見て、「この帽子かぶる?」と言ってジェニファーの頭に乗せた。とってもかわいいジェニファー。キマッている髪型の上でしっくり帽子が収まるまであれこれ動かしていた。このとき、レイチェルが何かをやりたいと言っていたけれど、何て言ったのか思い出せない。でもその後、会場で誰かが「チャーリーズ・エンジェル!」と叫び (わたしはこの時まだ帽子をかぶったJBだけを凝視していた。)、レイチェルは、「そうね、あれは楽しかったわ。」と言っていた。ジェニファーも、「そうね。あなたは・・・、わたしはチャーリーがいい。あ、でもそうすると姿は出さないで声だけの出演になっちゃうわね。」
ローレル: わたしはパートナー(ジェニファーのこと)にくっついて離れないわ。だって、わたしも女カウボーイの映画をやってみたいもの。わたしとジェニファーは馬に乗れるけど、イギリスから来たレディのレイチェルは女カウボーイの映画で何していいかわからないでしょう。
レイチェル: わたしはロバにのるわよ。(と言って、ロバにパカパカ乗っているふりをして大ウケ。)
Q: 韓国から来た女性からジェニファーへの質問。「Lの世界」のプロモーションで来日した時のことについてと、今後、韓国にもプロモーションで来るかどうか。
ジェニファーは、どれだけ日本が伝統的に同性愛を嫌悪している国かということと、東京でゲイバーには2店ほどしか訪れなかったが、旅全般で素晴らしい経験が出来た、といったことを語った。日本では、表面上ゲイコミュニティはあまり目立たないけど、DVD セールスは、彼女の来日以降うなぎ上りだったという。今後もし機会があれば、プロモーションで、例えば韓国などへも行ってみたいとのこと。
そしてここで、ジェニファーがカウボーイハットをローレルの頭に乗せた。ジーンズ姿のローレルに似合って、かつてないほどのかっこいい女カウボーイに見えた。
ローレル: このQ&Aのコーナーでは皮のパンツを穿こうと思っていたんだけど、レイチェルがそれはやめなさいって言ったの。
レイチェル: そうそう。誰もローレルが皮のパンツを穿いているのを見たくないわよって言ったのよ。シーズン5エピソード2でのジェニーのセリフ 「ダメダメ。誰もニーナがセックスしているのを見たくないわよ。(no! no one would ever want to see Nina having sex!)」っていうのを思い出して、それに引っ掛けてね。
ローレル: あー、そう・・・。(見た目かっこよく決まっているのに、帽子のかぶり具合を調整して) でもとにかく気分は十分 “女カウボーイ” だわ。
Q: みんな tibetteの結婚式を夢見ていますが、シーズン6でそれはありますか?
ジェニファーは口をチャックする真似をして肩越しに合図すると、ローレルはカウボーイハットを目のところまでずらした。観客は大笑い。二人はもちろん何も言わず、その話しはアイリーンに持っていって、とだけ言った。そして、もし「Lの世界」の映画化が実現すれば可能性があると口にした。さぁ、どうだか。