Lの世界の世界 - The L Word

The L Word

~「Lの世界」 の世界 ~ 

レポート&インタビュー: L5 コンベンション - Blackpool, UK -

By the article from tibette.com
November 2008

Auction

ジェニファー、ローレル、レイチェルの3人にジャニナ・ガバンカーがステージに加わった。彼女はオークションの競売人となるのを自ら名乗りでて、レイチェルにアシスタントを頼んだ。ジェニファーは、競売にかけられるアイテムには、自分の撮ったキャストのフォトグラフの他、ミア・カーシュナーの本 “I Live Here”、そしてシーズン4の撮影でジェニファーが着用したバスケットボールのユニフォームがあることを説明。そしてまず初めに、撮影現場でジェニーファーが撮ったケイト・メーニッヒのゴージャスな写真を掲げ、「これが最初の競売品。」と言ってオークションは始まった。この時から笑いっぱなしであったが、この場の雰囲気をこのレポートでできる限り伝えられればと思う。とにかくジャニナは最高だった。ものすごい早口で、まるでもう数十年間競売人をやっているプロであるかのようにオークションを進めていた。「さぁ、まずは100ポンド(約13,500円)から。100ポンドでどうでしょう。はーい。」後ろのほうの女性が手を上げた。「さぁ、100ポンドで買い手はついた。150ポンドは? この素晴らしいケイト・メーニッヒの写真を150ポンドではどうでしょう? あ、200ポンドで手が挙がりました。みなさん、200ポンドまできました。では250ポンドではどうでしょう。」 ジャニナはこんな調子ですべての競売を進めた。途中ステージ上では、ジャニナの後ろにいるキャストたちさえもおかしすぎて前屈みになって大笑いしていた。その後、レイチェルはアシスタントとして、写真を頭の上に掲げてステージの端から端まで歩きまわった。これもまた、まるでプロような見せ方であったが、半袖のグレーのシャツを着てステージ上を歩き回る様があまりにもセクシーで、観客はレイチェルのパフォーマンスに盛りがった。ケイトの写真の入札はその後も続き、700ポンド(約94,500円)まで上がったところで、二人の女の子だけがお互いに高値を付け合っていたので、ジェニファーは同じ写真が2枚あるので、それを700ポンドで1枚ずつどうかと提案した。

オークションにかけられたケイトの写真はあともう一枚あって、それはブラジャーだけを身に着けたものだが、たしか1000ポンド(約135,000円)で入札されたと思う。

その次はモノクロのミア・カーシュナーの写真。シーズン2で髪を切った直後にジェニファーが撮影現場のミアのトレーラーで撮ったものだ。偽りなく実に素晴らしい写真。深い悲しみを湛えたミアの目・・・。その写真のミアはこの上なくかわいい。ジェニファーはなんと優れたフォトグラファーだろうか。その写真に付いてくるミアの本 “I Live Here” もまた見事な本である。このミアの本付き写真も同様に、終盤には2人の女性が入札をし合って950ポンド(約123,000円)まで釣り上がり、その時点で写真をそれぞれ1枚ずつ買ってもらうことで折り合いがついた。合計1,900ポンド(約246,000円)也。

このときまでにジェニファーとローレルの二人も気分はオークションのモードになっていて、ケイトのブラジャー姿の写真のオークションの時、ジェニファーはローレルの背後から歩み寄って体に腕を回した。写真を上に掲げながらもゆらゆら動き、一緒に後ろに反ったりしてふざけあう二人。観客はもちろんのこと正気でいられるわけはなかった。そのあとには、写真を持ってステージを歩き回っていたレイチェルに便乗するかのようにセクシーポーズをとっていた。

お次は、ジェニファーが着用したバスケットボールのユニフォーム。ジェニファーは、ジャケットを脱いでそのユニフォームを着て見せてくれた。そしてそのユニフォームにはジェニファーの手書きのメモが書かれている「Lの世界」の台本が付いてくる。そのメモの中には、当時のジェニファーの娘の睡眠スケジュールが書かれていたりするが、本人も言う通り滅茶苦茶なスケジュールだった。コンベンション主催者のシェーン・ハリー (Sean Harry) は、親切にもL6コンベンションの無料招待券をつけてくれた。 ジャニナが入札を始めるとすぐに、観客の中から一人の女性が立ち上がって 「3,000ポンド(約405,000円)!」と叫んだ。会場は一瞬静まりかえったあと、もちろんのことだが狂ったような歓声が沸き、ステージに上がったその女性は毒気に当てられた。しかし、もう一人入札している人がいることがわかり、価格は最終的に3,600ポンド(約486,000円)にまで上がったが、最初に3,000ポンドと言った女性が結局それを勝ち取った。

最後のアイテムは、ジェニファーのこれまたモノクロ写真。ジェニファーは、これはたった一枚しかない写真なのでネットで売られているのがわかったら、どこのだれが売りに出したかすぐわかる、と言った。その写真はセルフ・ポートレイト。ある朝、泳いだ後、なんとなく粋な気分だったので、トレーラーの中で横を向いて鏡の前に立ち、自分自身を撮ったという。ジェニファーが言ったように、写真には日焼けしたラインがくっきりと見えるが、これを見た時には、あらら・・・、と思ったそうだ。そして、ジョーク混じりにこう言った。「お部屋にジェニファー・ビールスの半裸が欲しい人いませんか~?」 するとローレルが、「見て、この背中の筋肉。どんなに素晴らしいか私はよく知っているわ。」

この写真がオークションにかけられている最中も、ある時点でローレルがジェニファーの背後から腕を回し、しばらくの間、二人してセクシーにもゆらゆら揺れながら歌をうたい始めた。この時も相変わらずジャニナが入札の采配をとっていたので、唯一聞き取れたのは、「これはベット・ポーター! わたしの彼女。 すごい腹筋でしょ。半分裸よ。」といったようなことだった。ジェニファーとローレルは大きな笑顔を浮かべていた。すごい勢いで入札は進行し、写真の値段はなんと2,550ポンド(約344,000円)に! なんと言ったらいいか、このときほどお金持ちだったらなぁと思ったことはなかった。

ジェニファー、ローレル、レイチェル、ジャニナの4人全員が手をつなぎ、観客にお辞儀をすると、長い総立ちの拍手喝采。オークションの競売人として大活躍だったジャニナには盛大な拍手が送られた。ローレルはジャニナの体に腕を回して、この経験を元にこれから競売人としてさらに磨きをかけていきます! と言った。この日のオークションの総売上げは、驚くべき10,450ポンド(約1,410,000円)。すべての収益金は、ジェニファーが参加しているチャリティ Matthew Shepard's Foundation と、ミアとケイトが参加しているチャリティに寄付される。

Closing Ceremony

まず初めに行われたのがラッフルチケットの抽選。景品は、シーズン5のピンクライドのシーンで使われたベット率いるチーム “Dana” のTシャツ。それもサイン入りである。最初にシェーン・ハリーにステージに呼ばれたジェニファーは、ラッフルチケットを引いた。コンベンションが行われたその週末だけで何千枚ものラッフルチケットが売れたが、その収益金もすべてチャリティに寄付された。

そしてシェーン・ハリーは、残りのゲストたちをステージに呼び、一人一人に賛辞を贈った。まずはジャニナ。彼女はとどろきわたる拍手喝さいを受け、目に涙をためていた。そして気を落ち着かせてから話し始めた。「コンベンションにゲスト出演しないかと言われた時、自分が出ることに意味があるのかと思いました。なぜなら、わたしはドラマには1シーズンしか出演していないからです。それに他の出演はメインキャストの方たちばかりだし、ましてや tibette までもが出演するというのに! でもこの週末の間ずっとあたたかく歓迎してもらえて、本当に感激しました。みなさんの仲間に入れてもらえたようで普通の女の子になれたみたい。」 ジャニナは本当にスウィートで、彼女の愛する母親が観客席から立ち上がって拍手するとさらに感激してしまったようだった。心の底からありがとうと言って後ろに下がり座った。隣のジェニファーがなぐさめるようにハグした。

お次は英国のバラの花、レイチェル。今までのコンベンションのように総立ちの拍手喝采を受け、「気持ちが高まっていた週末でした。参加してくださった皆さんが本当に素晴らしい方たちばかりで・・・」と感謝の気持ちを込めて挨拶すると、いつもは泣いたりしないのに、もはや涙を止めておくことはできなかった。そして、ジェニファーの方を向き、「ビールス、あなたのせいよ!」と言うと、会場は笑い声に包まれた。これには本当に笑ってしまったが、そのあとレイチェルは、「泣いたっていいわよね。1,500人ものこんなに親しい友人の前だったら。」と言って、素晴らしい週末だったことを本当に感謝していた。

そしてローレルの番。シェーン・ハリーは、ローレルに素晴らしい賛辞を贈った。「ローレルなしでは今までのコンベンションはありえませんでした。これまでコンベンションを続けてこれたことや、素晴らしいゲストを常に迎えられたことは、先陣を切ってコンベンションに参加して、他のキャストたちにその体験の素晴らしさを伝えては参加することを促してくれたローレルのおかげです。」 そしてローレルが立ち上がると、観客もステージ上の他のゲストたちも立ち上がり長い拍手喝采をおくった。これを見たローレルは目に涙を浮かべ、その長い拍手喝采はローレルが挨拶を言おうとする合図を出すまで続いていた。ローレルは、これまでいくつものコンベンションに出演してこれたことがどんなに素晴らしいことかと語った。そして今年、はじめのうちは、もう何年もコンベンションに出席しているので、みんなすでに一緒に撮った写真もあるしサインも持っているだろうと思って、なんだか古株になったような気がしていたけれども、みんなはいつもと同じように列を作って並んでくれて、素晴らしい時間を過ごせたという。観客の何人かが、「みんなローレルのこと愛してるよー!」と叫ぶと、最高の微笑みを浮かべた。ローレルは感謝の気持ちとともに、コンベンションは自分に力を与えてくれるし最高だと語った。

最後はジェニファー。ローレルと同様、皆立ち上がって鳴り止まない拍手喝采が続いた。観客は足で床を踏み鳴らし、こぶしを握ってテーブルをたたき、嵐のような音が響き渡り、音を出すのを止めてと合図を出さなければしゃべりだせないほどだった。ジェニファーは私たちが作り上げてきた、信じられないほど素晴らしいコミュニティの力について語った。そして本当に素晴らしいことだから、ドラマのシリーズが終わってもコミュニティを守っていってほしいと言った。それからまた、政治はだれにとっても一人一人に関わってくることなので、もっと政治意識を高めていくことを奨励していた。ジェニファーの挨拶の中で私の琴線に触れたのは、このコンベンションの週末が彼女の人生において最高に素晴らしい経験の一つであり、この場に来れたことを本当に嬉しく思い、みんなの名誉レズビアンでいられることを誇りに思う、と語ったときだ。ジェニファーの目にキラリとしたものが見えたのはこの時だったと思う。そしてその場をさらりと終わらせるために次のように言った。「政治とセックスはすごく似ている。もしあなたがどうにかして欲しいなら、それを口に出すべき。正しいことが行われていないのなら、声を大にしてそれを示すべき。そしてそれでもまだ望みが叶わないのら、その時は自分で行動を起こすのよ。」 これを聞いていた観客の反応がいかがだったものか想像できるでしょう。ステージのキャストたちもまた笑っていた。

以上のように、全キャストがそれぞれ総立ちになっての拍手喝采を受け、観客席に向かってお辞儀をすると L5コンベンションは幕を閉じた。

Photo: Thanks to tibette.com

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