Lの世界の世界 - The L Word

The L Word

~「Lの世界」 の世界 ~ 

レポート&インタビュー: L5 コンベンション - Blackpool, UK -

By the article from tibette.com
November 2008

Jennifer and Laurel Q&A's

ジェニファー・ビールスとローレル・ホロマン

Q: ベットとティナの今から30年後は?

ローレル: できればその時もまだ一緒にいて欲しい。

ジェニファー: そうね。おそらくもう一人子供がいて、居場所は、人生楽しむためパリに一つと、ベットがアートワークをするための場所がメキシコのどこかに、、、なんてどうかな。

そして、ヴァギナ・モノローグのイベントでやったあのオーガズムをやって欲しいと言われた二人。その時の様子を説明するのは難しいが、二人のオーガズムを見て聞いて、私は身体が火照ってしまったとだけ言っておこう。ローレルのオーガズムは、最後に“god damn!” の叫び。ジェニファーはあのアフリカン・アメリカンをやってくれて、“oh shit!” と叫んだ。

Q: 旦那さんがどんなことをしてくれた時が、あー、やっぱり私の旦那なんだと思う時?

ジェニファー: 彼は何もしなくても、彼は彼だから私の旦那なんだわ。

ローレル:  毎日普通にやってくれていることだけで、そう思えるわ。

Q: デイナを失った時の気持ちを聞かせて。

ローレル:  デイナが亡くなって以来、1ピースをなくしたような気持ちをずっと抱えていた。デイナは一番最初のエピソードから出演していた主要人物だったからね。ケイト・メーニッヒの言葉を借りれば、「it just sucked! (最悪!)」って感じ。

ジェニファー: シーズン3のキットとのシーンでデイナのことを話していた時、わたしはちょうどトレーラーの中で娘に母乳をあげた直後だったので、オキシトキシン(母乳を出すと出てくるホルモンの一つ)がいっぱい放出されていて、撮影中すごく感情的になってしまっていたの。演じるのに大変なシーンだった。

Q: ジェニファーに質問。バラク・オバマが大統領選で選ばれた時の反応とその時の思いは?

ジェニファー: うれし泣きをしてしまった。様々な分野で変革が起こっていくのを期待している。

このあとにジェニファーの述べた言葉をそのまま伝えると、「They have huge stables to clean out and it’s not the time to rest on their laurels. (ギリシャ神話からの引用 = 名声にあぐらをかいている暇はない。大掃除をしなくちゃならない時なのだから。 )」とのこと。 気の利いた洒落だと思った。(ローレルに引っ掛けて“laurels”の入った文を引用しているから。) ローレルは笑っていた。

次にジェニファーは、今まで関わってきた様々なチャリティーやファウンデーションについて訊かれると、彼女はサンフランシスコで行われたゲイ・プライドについて、それは信じられないほど素晴らしい経験であったし、ちょっと変わった人々が挑発的に着飾って練り歩くといったようなメディアが表現しようとしているようなものでは全くないと語った。彼女の体験したことはイメージとはかけ離れていて、家族ぐるみや子連れで実に多くの人々が参加していたことに驚き、その一部分でも自分が関わっていることに誇りを感じたのだそうだ。

そしてまた、一端を担って欲しいと依頼されたファンドレイザーを通して、どのようにMattew Shepart Foundation に携わってきたのか語り、Judy Shepardと面識を持ったことにも触れた。差別という形で社会における法や基準からGLBTに関する課題が排他的であることについて取り組んでいるという点において、ジェニファーが最も尊敬しているという人物だ。次に質問は、Tobias Wolff と組んだブログのプロジェクトのことに及んだ。政権が新しくなることによって実行され得る変革 (Change) はどんなことだと思うかという質問を受けたジェニファーは、「ブッシュ政権は実に多大な過ちを犯してきた。 実行に移されるであろう項目の一つに、DOMA (結婚防衛法 = 結婚は男女間に限ると規定した連邦法)の廃止があるでしょうね。」と語った。そして人々の結束力と意思について、政権は人々の意思を汲み取るためにここにあるのであって、その逆ではないと言った。そしてLGBTコミュニティのパワーについて、それは女性も男性も全ての年齢層において世界中の人たちを団結させるものであり、どうやってそのパワーの利点を生かし、世界中で変革をもたらす手助けとして私たちが支援できるようにするためにどう使っていくべきかということをジェニファーは主張した。

ジェニファーは素晴らしいほどに雄弁で熱心な語り手であり、このレポートで、彼女の言葉のとてつもない感情とパワーは、そのままに伝えきれるものではないと最初からあきらめられるほどに素晴らしいものであった。

Q: シーズン4のバスケットボールのシーン (S4ep4) は、どのくらいの割合でアドリブだったの?

ジェニファー & ローレル: ほとんど台本通りで動きも決まっていたけど、アドリブのショットもいくつかある。あのバスケットシーンの撮影はとっても楽しかった。

Q: ジョディのアートショー (S5ep12) で、ビデオを見せられていた時のベットの気持ちは?

ジェニファー: ベットは、バツが悪く屈辱を感じたんじゃないかな。

Q: 聴覚障害のあるジョディとベットの関係 vs 聞き上手なティナとベットの関係について

ジェニファー: この質問に答えるのは難しいわ。それは聴覚障害だからということ以前に、ジョディがどんな人間かということだから。でもある意味そういう比較もあるかもね。二人の問題はベットが手話で会話を積み上げていく能力に限界があったことにも幾分起因してたし、ジョディに思っていることや感じていることを自由に表現しきれずに、折に触れてベットにとってはおそらくフラストレーションがたまるようなことだったから。時には、ただベットが何と言っているのかジョディには聞こえないから、、、ということがあり、かたやティナにとっては、ベットが何と言ったのか聞こえなければよかったのにと思うような瞬間があった。ティナがごちゃごちゃしている中に入ってきたことで、状況がもっと複雑になってしまったわね。

ローレル: わたしは何もしていないわ! ベットがわたしの手首を掴んでキスしたんじゃない。覚えてる?

ジェニファー: ベットはただティナの心を読み取っただけよ。

Q: Shebarでのキスシーン (S5ep4) は、どこまでが台本通りで、どこからがアドリブなの?

ジェニファー: 泣くシーンは台本には無かったけど、撮影していてそうなっちゃったの。本来そのシーンは、もうこれ以上お互いを打ち消せないという感じのもっとセックス的な、もっと肉体的な魅力を映し出すはずだったのよ。でも撮影が始まったら、その状況はただセックスをするというより、もっと奥深いものなのだということがハッキリした。様々な感情や思い出が沸々と蘇ってきて、ベットがどれほど深くティナのことを恋しいと思っているかというところなのだと。

このShebarでのシーンの中盤、ジェニファー/ベットはすすり泣きをするのだが、これについて、

ローレル: わたしはあの状況に身を任せたの。そう、ティナはベットを慰めたわ。その場面でティナはとっても気丈だった。一個人同士、ベットとティナの間柄において初めて同等の関係になった瞬間。あのシーンの時、信じられないくらい気分が高揚していた。女優としてがんばりどころのシーンであったし、演じるキャラクターとシーンにどっぷり入り込んでいる時は、意識的な思考なしで自然に演技がでてくるもので、そのシーンを撮っている時、信じられないほどとっさにジェニファーと反対の演技をしなきゃと感じた。ジェニファーがそんな雰囲気を散りばめておいてくれたから、ベットが泣き出した時のジェニファーからきっかけをもらってそれに合わせたわ。とにかく演じるのにとても感情が揺さぶられたシーンだった。

そのあと二人は、ベットとティナの関係が機能不全に陥って、二人の抱えている問題を進めてくれるようなシーンを用意して欲しいと、どうアイリーンにお願いしたか話してくれた。シーズン3と4の後、ジェニファーとローレルは、ベットとティナが友達になれて本当によかったと思っていたのだそうだ。ローレル曰く、特にベットがジョディとの関係を築いている時に、ティナが無私無欲で助言してあげられた時にそうだったとのこと。そしてジェニファーが付け足した。「もちろん、ベットはそれからその助言に従ってまた新たな情事を始めてしまうのだけど。」 ジェニファーは、ベットがまたティナと新たな関係を始めてしまう前に、まずジョディとの関係を終わらせてくれていたらよかったのにと思っていたと明かした。

ジェニファーもローレルも、エレベーターシーン (S5ep9) の台本を目にした時は本当に嬉しかったのだそう。ベットとティナがついに本心を語り合う場面だ。ローレルは、ティナがそれまでやってきたことを詫びることができてよかったと言う。ベットのセリフの “It feels like I’m coming home. (家に帰ってきたみたい)” がものすごく好きなのだそう。

Q: ドラマ 「Lの世界」で演じた最も大変だったシーンは?

ジェニファー & ローレル: シーズン1の最終話。ベットがキャンダスの手に触れるのを見てティナが裏切りを受けた後のシーン。

ここでローレルが 「the carpenter (あの大工)」 と、いかにもむかついたようにいう言い方がすごく面白かった。それから会場はもちろんブーイング。そして、トニー・ゴールドウィン監督の途切れることの無いあの長いシーンの撮影がどんな様子だったのか語ってくれた。二人は、あのものすごく感情的な7,8分の長いシーンを続けてやらなければならず、完全に疲れきったという。休憩も取らずに、またすぐもう一度という撮影だったそうだ。そしてローレルが、「ベッドの上でティナがベットのことをひっくり返すシーンは、とっても大変だった。だってジェニファーは信じられないほど強いし、何度も何度もひっくり返そうとしてもできなかったのよ。それでついには、ジェニファーに、私にひっくり返させてよ! とお願いしたの。」と言うと、ジェニファーは、「あ、そうだったの?」。ということで、シーズン1最終話のベッドシーンで見る演技は本気の力をふりしぼっていたとのこと。

Q: アイルランド出身の女の子からの質問で、ジェニファーのアイルランドのルーツについて。

ジェニファー: たしかに一部アイルランドの血が流れているし、ダブリンに親戚もいるけど、一度もアイルランドに行ったことはないのよ。

Q: ジェニファー、撮影現場から盗んだもので一番よかったアイテムは何?

ジェニファー: 何も盗んだことはないわ。何か欲しい時は丁寧に頼んだことがあるけど、だいたい断られた。結局は映画のためにとっておきたい物とかね。あぁ、Pink Rideのシーン (S5ep10) で使った自転車は買った。すごくかっこいい自転車だったから。

Photo: Thanks to tibette.com

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